病気のはなし

多発性硬化症が発覚するまでの経緯その⑤入院

大学病院での診察から3日後、いよいよ入院の日がやってきた。

この大学病院では、皮膚科で入院したことがあったので手続き自体はスムーズに進んだ。

入院手続きの際にきつく注意されたのは敷地内での喫煙禁止についてだ。

以前入院したときは喫煙室があったはずだが、ここ数年で敷地内禁煙になったらしい。

自分はヘビースモーカーだが、自分の体についての不安と恐怖で敷地内禁煙については何も感じなかった。

今はそんなことどうでもいい!くらいに思っていた。

説明が終わると病棟に移動し、自分の病室へ案内される。案内された部屋は自分の他に1名いる2人部屋だった。

同部屋の患者さんの病名なんて聞かないし、きっと聞いても教えてくれないだろう。

その患者さんは、痴呆なのか何なのかわからないけれど、四六時中誰かを大声で呼んでいるような人だった。

夜中でも大声で誰かを呼んでいる。看護師さんが優しくなだめるとおとなしくなって寝付いてまた起きて誰かを呼ぶ。

年齢は70代くらいかな?大声は出すけど、暴れたりはしないのでそこまで不快ではなかった。

入院の次の日、午前の回診があり、主治医の他に5~6名ほどの先生がやってきた。

症状はどうかとか、悪化してないかとか、昨日は眠れたかとか、そんなやりとりの後に今後の予定を教えてくれた。

MRIが混んでるから一週間後にしか撮れないとか、血液検査の予定とか、PET検査もやりますとか。

とにかく脳外科の先生達は、まずはガンかどうかの見極めからしたいらしい。

そして、ガンでないのなら脳外科の守備範囲ではなくて神経内科の範囲なので病棟移動することになると説明を受けた。

とにかく今は、徹底的に検査をしてガンかどうかの見極め。ガンでないなら神経内科でまた検査をして原因を探る。という流れになるらしい。

先生に入院期間はどれくらいになりますかと質問すると

「長期にはならないよ。1ヶ月くらいかな」と返ってきた。

1ヶ月でも十分なげえな・・・と思ったが、原因が判るのならしょうがないかと思い諦めた。

それから2週間くらいの内に、血液検査やMRI、PET検査等をしていった。

MRI画像では入院前の画像と変化なし、PET検査では前立腺に少し怪しい所があるとのことで泌尿器科に回されて再検査。

泌尿器科での検査で、前立腺も問題なしとのこと。

それから記憶力のテストとかも受けた。

他には眼科でも眼圧の検査だったり、視界の検査だったりを受け、問題なし。

とにかく毎日いろんな検査を受けまくった。その間、脳の浮腫みを取るための点滴(浮腫んでいたわけではないが、その予防?)を受けたり、研修医の問診受けたり。

いろんな検査を受けている内にあっという間に1ヶ月が過ぎた。

色んな検査の結果を踏まえるとどうやらガンではないらしい。徹底的に調べたので大丈夫とのこと。

そこで神経内科への移動が決まった。

自分としては「入院は1ヶ月って話しじゃなかったか?もしかして脳神経外科での入院が1ヶ月って意味だったのか?」とか多少モヤモヤしたが、それを言ったところでどうにもならない。

ガンでないことは分かったけど、原因がわかってないんだからゴネて退院しても何の意味もない。

大人しく病室の荷物をまとめて神経内科病棟へ引っ越した。




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